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おすすめランク A
こんな人にオススメ ⇒ 若き日のディカプリオに胸キュンしたい人。もしくは史実マニア
ストーリー | 4 |
脚本 | 4 |
映像 | 3.5 |
キャラクター | 4 |
総合評価 80点 |
【あらすじ】
沈没しない豪華客船【タイタニック】。
船上で出会った上流階級の娘ローズと、無名の絵描きジャックの恋物語。
監督ジャームズ・キャメロンによる徹底された史実調査を元に、今、あの悲劇が蘇る。
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では、「79」点としていました。
が、流石に低いかな? と思い、テレビ放送最中なのに、テレビを所持していない私はAmazonプライムで観なおしました。
うん、はい。
流石に「80点」は余裕でありますね。訂正します。(映画ランキングも更新)
タイタニックは当時の劇場で観ているのですが、それ以降観ていません。
1997年作品ですから24年振りに観たら、やっぱり80点は越えていました。
とはいえ、「85」点とかになるか? せめて「81」に……ならないです!
何故なら私、男だから!
好きな監督ランキング第一位の「ジェームズ・キャメロン」作品ですが、80点です。
その理由を、今回は一点に絞って説明します。
本作の特徴、テーマはこれです。誰もが一目で分かるでしょう。
この子、強っ!
レオ様ではありません。ケイト・ウィンスレットです。
間違えないで欲しいのは、本作の主人公は「ローズ(ケイト・ウィンスレット」です。
当時は「レオ様ブーム」の全盛期でしたので、ディカプリオ事「ジャック」を主人公のように勘違いされている方が多いですが、シナリオ上の主人公は「ローズ」です。
この物語の主観は、全て、彼女ないし女性視点です。
こうなったロジックは分かりやすくて、
「ディカプリオを格好良くしたい」→「見られる格好良さにしよう」→「女性主観でいこう」
ってな感じで、主役を傍から眺める視点、もしくは引導される立場にして「レオ様」を格好良く魅せるやり方です。
これ自体は普通の作り方なので、別に評価対象でも減点対象でもありません。
そんな「普通」だけじゃ物足らなくなってしまう監督。
それが、ディテールの怪物、ジェームズ・キャメロンです。
只々、ディカプリオを追っていくだけの女性じゃつまらない。
対等どころか姉さん女房にしてしまい、圧倒的に力強い女性像を作り上げています。
なるほど!
膝を打ちました。
あんなに可愛い坊やレオ様を、女性側から引導するとか、夢があるじゃないですか!
これにより、格好良いに可愛いが加わります。
もう一つ言うと、「ケイト・ウィンスレットで良かった」です。
ケイト・ウィンスレットが最高でした!
当時は「ロミオとジュリエット」フィーバーで、本作もクレア・ディーンズの予定でしたが、諸々あってケイト・ウィンスレットへ変更になりました。
でも、正解!
当時は世間も私も批判的で、映画ランキングでも「クレア・ディーンズじゃない」を減点理由にしましたが、再度観て、ちゃうわ! となりました。
ケイトがふくよかなのも、ピッタリ役にあっています。
おそらく当時の人気ぶりを考えて、クレア・ディーンズだとこうした内容にならなかったはずです。「洒落た恋愛物」ないし「パニック物」程度だったかもしれません。
レオ様ファンが嫉妬しない程度の、丁度良い配役でした。
(ケイト本人は当時、相当に叩かれたそうです。が、キャメロン的にはそれも狙いだったはず)
ふくよかだったのも良かったです。「強い女性」を上手く表現でてきていて、逆にあれでガリガリ体系のモデルさんみたいな演者だと、合っていません。
何もかにもが彼女の為に用意され、かつ、世間の女性ファンを掴む為の演出が盛り沢山。
更に! これを物語にも落とし込みます。
「ローズが生き残ったのは、ジャックとの愛」があったからです。
ジャックの死を目前で見取り、それによる体温上昇で体が動かせるようになり、なんとか一命を取り留めます。
私の妄想ではありません。
その数秒前のシーンでは、ローズは瞳孔を開き鼻歌を唄っています。
これは「今から死ぬ人」の定番演出です。低体温症で、意識が飛んでいるのです。
それが「ジャック?」「カムバック」と何度も何度も声を発する事で、体温上昇を促して生気を戻らせているのです。
彼への愛があったから、生き延びられた。という演出です。
とはいえ、それで再度海水に浸かって笛を吹くとか……強い!
こんな感じで、論理的に「愛」を、感性的に「強い」を組み合わせています。
素晴らしい!
こういうのを、私は「手順」と呼んでいます。
細かな積み上げと配置、順番で完璧に仕上げる辺りが、キャメロンの凄さ。
細かすぎて全然伝わってない事すらも計算に入れています。
これがあるから、男女問わず観れるのです。
おまけで、キャメロンの細かさをもう少し深掘りします。
日本での公開前、キャメロン本人は「日本じゃ売れないかもな……」という消極的な見方をしていました。
理由しては「タイタニック号沈没の歴史的な意義が、日本人には理解できないだろうから」と述べています。
しかし、全米よりも公開が早かった日本で大ブームとなります。
圧倒的女性ターゲットの作品ですが、男性に受け入れられなければ大ヒットになはりません。
そう。
こういうマニアックな歴史物を好きなオタク男子が、いっぱいいるんです。我が国には!
オタクボーイ達は挙って調べました。安心して調べました。
「キャメロンが作ってんだから、細かいに決まってる」
と。
調べた結果、めっちゃ細かかったです。
因みに、本作の制作費用は2億ドルと言われており、当時最も金の掛った作品です。
1分計算で1億円……。
それだけ掛けて作られたのは、「本物」です。
船内内装は概ね当時を再現し、部屋も図面通りに作られています。
カメラワークから推測して「この場面はここにいて、こうやって動いている」なども、正確に把握できる程、厳密に作られています。
社会的意義というのは階級社会の事でしょう。確かに日本は海外の社会階級には縁遠いですが、それを模した明治政府や、なんなら士農工商の江戸幕府だって好きなのです。
階級社会に【なぜか】誇りを持っている、世界的にも珍しい人種が日本人です。
海外の方のようにアレルギー反応などは無く、むしろ好感を抱くマゾ体質なんです。
長くなりそうなので割愛しますが、なにがどう細かいのか?
調べれば調べる程、キャメロンの細かさが理解できるはずです。
安心して調べまくって検証してください。
彼は、世界トップの考察ガチ勢です!
全体的には「女性に売る為」に作られた作品です。胸キュンポイントが盛り沢山ですし、フェミニストも納得の力強い女性像がありました。
それ以外にも魅せるポイントが詰め込まれています。
最初の海底調査などは、お得意のSF描写でした。パニックもありました。歴史物としての調査もバッチリ。海上の船という一つの箱の中で人々の思惑が交差し、様々な生き様と死に様が描かれました。
隙間なく、これでもか! ってほど詰め込まれました。
詰め込まれているのに、エンターテイメントの体もはっきりと残しています。
これでバランス崩壊しないところが、キャメロンの手腕ですね。
映画を作るのが、上手い!
んん。ケイトとキャメロンをベタ褒めする内容になりました。
肝心のレオ様は?
また書きます。
私の最も好きな俳優は、レオナルド・ディカプリオなので、書きたい事が山ほどあります。
もう一回だけ、キャメロンとコンビ組んでやってくれないかなーっと切に願っております。