映画【おすすめレビュー】タイタニック

 

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おすすめランク A

こんな人にオススメ ⇒ 若き日のディカプリオに胸キュンしたい人。もしくは史実マニア

ストーリー 4
脚本 4
映像 3.5
キャラクター 4

総合評価   80

 

 【あらすじ】
沈没しない豪華客船【タイタニック】。
船上で出会った上流階級の娘ローズと、無名の絵描きジャックの恋物語。
監督ジャームズ・キャメロンによる徹底された史実調査を元に、今、あの悲劇が蘇る。

さて、恋愛映画の本丸と言えるでしょうか、タイタニックを考察していきます。
先日書いた↓ 

【2021年版 映画 不朽の名作ランキング 時間を無駄にしないおすすめ50選】

では、「79」点としていました。

が、流石に低いかな? と思い、テレビ放送最中なのに、テレビを所持していない私はAmazonプライムで観なおしました。

 

うん、はい。

流石に「80点」は余裕でありますね。訂正します。(映画ランキングも更新)

タイタニックは当時の劇場で観ているのですが、それ以降観ていません。

1997年作品ですから24年振りに観たら、やっぱり80点は越えていました。

 

とはいえ、「85」点とかになるか? せめて「81」に……ならないです!

何故なら私、だから!

好きな監督ランキング第一位の「ジェームズ・キャメロン」作品ですが、80点です。

 

その理由を、今回は一点に絞って説明します。

 

 

考察point 圧倒的、女性ターゲット作品

 

本作の特徴、テーマはこれです。誰もが一目で分かるでしょう。

 

この子、強っ!

 

レオ様ではありません。ケイト・ウィンスレットです。

間違えないで欲しいのは、本作の主人公は「ローズ(ケイト・ウィンスレット」です。

当時は「レオ様ブーム」の全盛期でしたので、ディカプリオ事「ジャック」を主人公のように勘違いされている方が多いですが、シナリオ上の主人公は「ローズ」です。

この物語の主観は、全て、彼女ないし女性視点です

 

こうなったロジックは分かりやすくて、

「ディカプリオを格好良くしたい」→「見られる格好良さにしよう」→「女性主観でいこう」

ってな感じで、主役を傍から眺める視点、もしくは引導される立場にして「レオ様」を格好良く魅せるやり方です。

これ自体は普通の作り方なので、別に評価対象でも減点対象でもありません。

 

そんな「普通」だけじゃ物足らなくなってしまう監督

それが、ディテールの怪物、ジェームズ・キャメロンです。

 

只々、ディカプリオを追っていくだけの女性じゃつまらない。

対等どころか姉さん女房にしてしまい、圧倒的に力強い女性像を作り上げています。

 

なるほど!

膝を打ちました。

あんなに可愛い坊やレオ様を、女性側から引導するとか、夢があるじゃないですか!

これにより、格好良いに可愛いが加わります

 

もう一つ言うと、「ケイト・ウィンスレットで良かった」です。

ケイト・ウィンスレットが最高でした!

当時は「ロミオとジュリエット」フィーバーで、本作もクレア・ディーンズの予定でしたが、諸々あってケイト・ウィンスレットへ変更になりました。

 

でも、正解!

 

当時は世間も私も批判的で、映画ランキングでも「クレア・ディーンズじゃない」を減点理由にしましたが、再度観て、ちゃうわ! となりました。

 

ケイトがふくよかなのも、ピッタリ役にあっています。

おそらく当時の人気ぶりを考えて、クレア・ディーンズだとこうした内容にならなかったはずです。「洒落た恋愛物」ないし「パニック物」程度だったかもしれません。

レオ様ファンが嫉妬しない程度の、丁度良い配役でした。

(ケイト本人は当時、相当に叩かれたそうです。が、キャメロン的にはそれも狙いだったはず)

 

ふくよかだったのも良かったです。「強い女性」を上手く表現でてきていて、逆にあれでガリガリ体系のモデルさんみたいな演者だと、合っていません。

 

何もかにもが彼女の為に用意され、かつ、世間の女性ファンを掴む為の演出が盛り沢山

 

更に! これを物語にも落とし込みます。

「ローズが生き残ったのは、ジャックとの」があったからです。

ジャックの死を目前で見取り、それによる体温上昇で体が動かせるようになり、なんとか一命を取り留めます。

 

私の妄想ではありません。

その数秒前のシーンでは、ローズは瞳孔を開き鼻歌を唄っています。

これは「今から死ぬ人」の定番演出です。低体温症で、意識が飛んでいるのです。

それが「ジャック?」「カムバック」と何度も何度も声を発する事で、体温上昇を促して生気を戻らせているのです。

 

彼への愛があったから、生き延びられた。という演出です。

とはいえ、それで再度海水に浸かって笛を吹くとか……強い!

 

こんな感じで、論理的に「愛」を、感性的に「強い」を組み合わせています。

 

素晴らしい!

こういうのを、私は「手順」と呼んでいます。

細かな積み上げと配置、順番で完璧に仕上げる辺りが、キャメロンの凄さ。

細かすぎて全然伝わってない事すらも計算に入れています。

 

これがあるから、男女問わず観れるのです。

おまけで、キャメロンの細かさをもう少し深掘りします。

 

おまけpoint 細かすぎる背景描写と拘り

 

日本での公開前、キャメロン本人は「日本じゃ売れないかもな……」という消極的な見方をしていました。

理由しては「タイタニック号沈没の歴史的な意義が、日本人には理解できないだろうから」と述べています。

 

しかし、全米よりも公開が早かった日本で大ブームとなります。

圧倒的女性ターゲットの作品ですが、男性に受け入れられなければ大ヒットになはりません。

そう。

こういうマニアックな歴史物を好きなオタク男子が、いっぱいいるんです。我が国には!

 

オタクボーイ達は挙って調べました。安心して調べました。

「キャメロンが作ってんだから、細かいに決まってる」

と。

 

調べた結果、めっちゃ細かかったです。

因みに、本作の制作費用は2億ドルと言われており、当時最も金の掛った作品です。

1分計算で1億円……。

それだけ掛けて作られたのは、「本物」です。

船内内装は概ね当時を再現し、部屋も図面通りに作られています。

 

カメラワークから推測して「この場面はここにいて、こうやって動いている」なども、正確に把握できる程、厳密に作られています。

 

社会的意義というのは階級社会の事でしょう。確かに日本は海外の社会階級には縁遠いですが、それを模した明治政府や、なんなら士農工商の江戸幕府だって好きなのです。

 

階級社会に【なぜか】誇りを持っている、世界的にも珍しい人種が日本人です。

海外の方のようにアレルギー反応などは無く、むしろ好感を抱くマゾ体質なんです。

 

長くなりそうなので割愛しますが、なにがどう細かいのか?

調べれば調べる程、キャメロンの細かさが理解できるはずです。

 

安心して調べまくって検証してください。

彼は、世界トップの考察ガチ勢です!

 

 

まとめ

 

全体的には「女性に売る為」に作られた作品です。胸キュンポイントが盛り沢山ですし、フェミニストも納得の力強い女性像がありました。

 

それ以外にも魅せるポイントが詰め込まれています。

最初の海底調査などは、お得意のSF描写でした。パニックもありました。歴史物としての調査もバッチリ。海上の船という一つの箱の中で人々の思惑が交差し、様々な生き様と死に様が描かれました。

隙間なく、これでもか! ってほど詰め込まれました。

詰め込まれているのに、エンターテイメントの体もはっきりと残しています。

これでバランス崩壊しないところが、キャメロンの手腕ですね。

 

映画を作るのが、上手い!

 

んん。ケイトとキャメロンをベタ褒めする内容になりました。

肝心のレオ様は?

 

また書きます。

私の最も好きな俳優は、レオナルド・ディカプリオなので、書きたい事が山ほどあります。

もう一回だけ、キャメロンとコンビ組んでやってくれないかなーっと切に願っております。