U-NEXT
おすすめランク B
こんな人にオススメ ⇒ 至高の音楽と、大人向けストーリー
ストーリー | 3 |
画、構成 | 3.5 |
音楽 | 4.5 |
キャラクター | 3 |
総合評価 78点 |
あらすじ
2071年の火星を中心とした太陽系を舞台に、おんぼろ宇宙船「ビバップ号」に乗って旅する賞金稼ぎのスパイク・スピーゲルら乗組員の活躍を描くSFアニメ作品である。
(ウィキペディアより)
スパロボ30から外れてしまったシリーズ第2弾。
因みに、「外れた」というのは、前作のスパロボTから外れたって定義です。
正直、この辺りは前作限りのゲストだと思っていたので予想通りなんですが……。
先日の「トップをねらえ!」は準レギュラーなので、またどこかで参戦するでしょう。
スパロボTでは素晴らしい回避能力と移動範囲で切り込み隊長を担ってくれた、おしゃれ番長ことスパイク。
サウンドエディション(実際の主題歌が流れる版)でしたので、主人公スパイクのターンになる度にコントローラーを置き、BGMを聴いていました。
そう!
このアニメの半分は、音楽でできています。
それがコチラ。(演奏者はご本人様達です)
格好いい……。
サックス習いたくなるぅ
さて、BGMの音量を大にして見ていきましょう。
音楽、菅野よう子さん!
菅野さんと言えば、ゲーム、アニメ、CM、ドラマなどほぼ全ての音楽ジャンルを網羅される超有名作曲家さんですが、本作の主題歌を代表曲とするファンは多いのではないでしょうか?
俳優さんやミュージシャンの方も、この曲で菅野ファンになった、等の記事を多々目にします。
何度聞いても格好いい、不朽の名曲ですね。
また、貼ってあるYouTube動画のコメント欄を見ての通り、海外人気が非常に高いです。
このOPが有名すぎて、内容が霞んでしまっている程……。
名主題歌(オープニング)ランキングを作ったら、絶対に外せない曲です!
(アクエリオンとかブレンパワードとか菅野さん関連がガンガン入ってきそうですが……)
ルパンとは違う
さて内容です。
度々このアニメが比較されるのは「ルパン三世」です。
なぜかは知りません。
いや、四人チームで不二子ちゃん枠があるからでしょう。
後、賞金稼ぎと怪盗で雰囲気が被っているところとか?
外観だけ見れば似ていますが、だったら「ワンピース」と「フェアリーテイル」は被っている! と言っているのと同じくらい内容が異なります。
カウボーイビバップは、ハードボイルドです。
たぶん、子供が観ても面白くないです。
渋い大人のエピソードを、ワイン片手に飲むくらいが丁度良いです。
一応スペースオペラですが、メインはマフィアの抗争やら愛憎やら裏切りといったストーリーライン。
尚、ルパン三世part5(テレビアニメ版)が2018年に放送されていましたが、あちらであれば本作と酷似します。かなりハードボイルドに作ってあったので。
※2021年10月からpart6が始まるので、その頃に詳細書きます。
話しを戻し、カウボーイビバップの特徴は「宇宙」「マフィア」「盗賊」「銃」と、男子が好きなものの詰め合わせです。
ですが、女性人気も高い作品だったりします。
理由の推測として、主人公であるスパイクが、けっこう情けない男なんです。
ここもルパンと大きく異なるポイントで、キメ台詞がどこか決まらなくて、ずっと亡くなった一人の女性に囚われていたり、復讐心を消せなかったり、女々しいです。分かりやすく決まらないです。
男性向け作品の主人公としては、ちょっと……な感じがありますが、細かな心の動きを洞察したい女性にはピントが合うのではないでしょうか?
で、やっぱり音楽が素晴らしいので、女性も観られる作品になっていると思います。
キャラクター配置
基本、四人グループって扱い辛いです。
3人か2人がベスト。
4人いても、一人はドラマに絡んで来ないんです。
ルパン比較を繰り返えして申し訳ないですが、五右衛門とか?
ルパンの構造は「ルパン+次元」のコンビに、敵か味方か分からない不二子までがドラマ班なので、五右衛門って持て余します。
事実、カリオストロの城で、宮崎駿さんは五右衛門カットしました。
他でも斬鉄剣係にしかなっていない場合が多く、斬鉄剣係はドラマの本質では無いです。
四人だと、こうなるんです。(大体、一人いらない)◀ココ重要
では、本作はどうでしょう?
本作も四人パーティです。
只、一人だけ明白に事情が異なります。
子供なんです。
天才すぎて大人びている子供ではなく、純真無垢な普通の子供です。
子供ながらに天才ハッカーというアビリティは持っていますが、子供です。
そのように、他の三人の大人が扱っています。
この使い方が、すっごく良かったです。
シビれます。
実際には、主人公、女盗賊、主人公の相棒のメカニックマンの三人グループでシナリオが進みます。
内容はどれも明るいストーリーとは言えません。
荒んでいます。
でも、ここに子供がいる事で、この荒んだストーリーから明るい世界を夢見る事ができます。
実際に、ラストはこのような場面になります。
大人達は悲しい過去に子供を連れ回すのではなく、希望を託します。
つまり、(子供が)存在している事に、意味を持たせています。
渋い! シビれました。
なかなか革命的な事をやっています。
四人という扱い辛い構成を逆手にとり、作品構造の内に落とし込んでいます。
因みに、不二子がちょいちょい離脱しなければならないのは、単に邪魔だからです。
本作の不二子役は、ほぼ離脱しません。
ドラマ要因になっているので、離脱する必要が無いのです。
(言い換えると、子供はずっと離脱状態)
あくまで、本作は「大人」を描くアニメ。
この表現の為に子供をパーティに採用したのは、秀逸で、パクろうと思いました。
やや中途半端
ともあれ、全体的には大人により過ぎているので、平均化してしまっている印象があります。
ドラマ無しではキャラクターが立たないので、主人公を最後に抹消する事になりました。
続編作れませんね。
であれば、もっと大人に寄せて欲しかったのですが、宇宙、マフィア、お姉ちゃん、謎の怪人など要素が散らばっていてトガりが少ないので、やはり印象が薄くなります。
音楽に持っていかれている。
そう感じてしまいます。
とはいえ、一つ一つは練られていて、構成も画も素晴らしいので凄く良い作品です。
映画のような作りです。
監督
とありますが、まさにそう。
大人のクリエイター達が、本当はこういうの作りたかったんだ! という理想が詰まっていて、凄く丁寧に作られているのが一目で分かります。
だから、海外、特に欧米人気が高いのですね。
こういうクリエイターの拘りを重視するのが欧米なので、頷けます。
観ておいて損は無い作品ですし、派手や流行りが優先される若人向け作品に飽きてる方は、是非観て下さい。
こういうアニメは一定の間隔で放送して欲しいので、大人達の熱い援護が欲しいところです。
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