初心者向け哲学入門書【おすすめ6選】

(ミケランジェロ「最後の審判」Amazonポスター)

 

哲学……、

 

それは……、

 

「興味ないね、ブラウザバックする!
「どうせ、屁理屈ばかりなんでしょ? ブラウザバックするわ!」

圧倒的!世間の声! 

 

それらを無視し、それでも尚、強制決行!致します。

需要が云々ではなく、必要とする人がいるから!

 

それは、貴方かもしれないから!

 

具体的に……

こんな人にオススメ ⇒ 将来、オリジナリティを求められる仕事をしたい

 


「いえ、私、生涯サラリーマンを貫く所存です。課長止まりを目指しています」

「主婦道一本で生きていきます。子供は学者以外の役所公務員にしかさせません」


 

それはそれで立派な目標ですので、文句は一つもありません。

ですが、「発想力」や「視野の広さ」を獲得し、その人にしか発揮できない知識職に就きたい場合、哲学は必須です。

経営者になりたい? 政治家になりたい? 漫画家になりたい? 映画監督になりたい? デザイナーになりたい?

 

であれば、必須。

哲学とは「個性的で有効な考え方」を模索する学問なのですから。

 

「個性」と「見聞」が必要な生き方をする為には、まず間違いなく哲学した方が  です。

その一端が、このレビューだけで伝われば幸いなのですが、さて、どうでしょうか。
その前に! 超重要ポイントを一つ!

 

point 哲学書の原本から読まない! 解説書から読む! 

 

哲学を始める場合、このルールだけは守って下さい

後半で「まぁ、読んだ気くらいはなるか」という原本を3作上げますが、基本は、解説書から読んでください

特に、西洋文学は!

多くの人が挫折するのは、いきなり原本を読み始めようとするからです。

いきなり読み始めたいのであれば「東洋哲学」にして下さい。(また別で書きますので)

西洋哲学は、積み重ねなんです。

「ソクラテスがAをこういった。プラトンがAをAaといった。アリストテレスはAaをAabといった……」

この積み重ねで言葉が作られています。

つまり、「ソクラテスのA」をそもそも知らない人は「アリストテレスのAab」は意味が分からんのです。

ですので、大学の哲学科専攻でも無い限り、絶対に原本から入らないで下さい

大先生達が細かく、分かりやすく解説してくれています。

決して、有名だからという理由で「純粋理性批判(カント)」から読み始めないで下さい! 

百パー挫折するので!

加えて、下記のおすすめ順に読んで下さい。それが楽です。

 

おすすめ① 史上最強の哲学入門 著者:飲茶 (河出書房新社)

史上最強の哲学バトル!

男は誰しも、地上最強の哲学者を目指した!

 

という「グラップラー刃牙」のパロディから始まる入門書です。

(因みにカバーイラストは「グラップラー刃牙」著者の板垣惠介、御本人です)

導入や表紙絵からも分かるように「裾野を広げる為に」書かれています。

 

とにかく分かりやすい書き口で、特徴だけを抽出して解説されているので、読み心地が抜群に良いです。

有名哲学者の「有名な考え方」を、短いページでまとめられています。

 

哲学の持つ「ハードル高い!」を解消してくれる名著です。

 

また「なぜ、西洋哲学にこうした入門書が多いのか?」についても述べられており、それが正に先ほど述べた

「最初から読まないと分からない(数千年分)」とも書かれています。

完璧に理解する必要はなく、生活に役立つ範囲、カルチャークラブ的なノリで読まれる事を目的とされていますし、それだけでも十分に役立つ内容となっています。

これだけでも十分に理解できるはずです。

哲学が必要な理由。

 

「考える事」には、無数の可能性と方向性があるのだと

 

おすすめ② 哲学の教科書 著者:中島義道 (講談社学術文庫)

私をカント地獄から救いあげてくれた名著です。(十七歳時)

この図書のキーワードは

 

哲学する

 

私も既に何度か使っています。

「哲学とは、何であって、何ではないか?」

こうした外堀をがっちり埋めてくれた救世主です。

巷で良く聞くあのフレーズ、

「私の哲学は、人を思いやる、まずはそこから……」

みたいな、あれ。

あれ、思想です哲学ではありません

ずーーーっと、あのフレーズにモヤモヤしていました。

それって「あんただけの信念じゃない? 俺に関係なくね?」っと。

先生はずばり答えてくれました。

「その通り!」っと。

哲学とは、誰がみても、どうあっても、絶対に正しいモノ「真理」を探す事。

そして、次のお言葉は、私を揺さぶりました。

 

「死! これを了承する事が、哲学の全てだ!」

 

なるほど!

※要は「死」以外の全ては、個人の見方や経験、価値観によって変わってしまう。「死」だけは絶対に誰しも変わらない出来事、つまりは「真理」。

これに加え「時間」や「存在」と「認識」といった哲学界の大テーマも分かりやすく解説して頂いております。

著者の中島先生は学者さんなので、飲茶さんよりも学術書っぽく書かれていますが、初心者向けに「分かりやすさ」を重視して執筆されています。

飲茶さんで大きく概要を掴み、中島先生で「もう少し突っ込んで」みるのが、読書の手順としては良いかと思います。

 

また、こちらの書籍でも同様に「西洋哲学は体系だから、いきなり読むなよ!」と書かれています。

みなさん口を揃えておっしゃるのですから、読むなよ!

 

おすすめ③ 概説 西洋哲学史 著者:峰島旭雄 (ミネルヴァ書房)

散々「いきなり読むな!」と述べました。

 

「じゃあ、一から全部書いてやんよ!」

 

 

それが、この【概説 西洋哲学史】

西洋哲学の数千年の歴史が、あらすじ形式で書かれています。

軽く二千年分、です。

詳細まで深堀はされていませんが、時系列通り(ココ重要!)、どういう人達がどのようなストーリーを作って来たのかを簡潔に記されています。

西洋哲学の場合、どういう積み重ねでここに辿り着いたのかを知る事は、とんでもなく重要です!

本書だけで概ねそれが理解できます。

読了後に、自分に合う、自分の知りたい哲学へダイブするのが最善かと思います。

私も本書はカバーがボロボロになるくらい読みましたし、引っ越しの度に持ち歩いています。

できればkindle化して欲しいです。重いので。

上記二冊で「哲学とは何?」を掴み、

本書で歴史(体系)を辿るのが、挫折しない進め方です

 

とはいえ、「原本」読みたいぜ!

って貴方。下記を読んでみてください。

只、詳しく理解しようとせず、気楽に読み進めて下さい。

分からない場所は飛ばす!(重要)

 

おすすめ④ 方法序説 著者:デカルト (岩波文庫)

 

おすすめ理由①

哲学界の金字塔!

哲学史を揺るがす事件は幾つかあり、「この一冊が世界を変えた!」という論文は多くあります。

なかでもギンギンに輝いているのがこの一冊です。

「われ思う、ゆえにわれあり」

これは本書に登場します。

後、「デカルト座標」。(x,y)軸、数学で習うあれを開発したのはデカルトさんで、それについても触れられています。

 

おすすめ理由②

薄い(ページ数が)

だからって内容が薄い分けではないので「ちゃんと読み解こう」とすると大変なのですが、最後まで読めた! というモチベーションが無いと続かないです

あと二作あげますが、どちらもそこそこ長いです。

他はもっともっと長いです。

挫折するくらいなら、解説書を読みましょう。(何度でも言う)

 

おすすめ⑤ ツァラトゥストラ 著者:ニーチェ (中央公論新社)

でた! タイピングできないやつ。舌かむやつ。

 

人間を越えたい貴方!

狂人に振り回されたい貴方!

意味とか解釈とか、そんな小賢しい理屈は抜きにして、ニーチェの強烈な言葉と魂に触れてみましょう!

 

こんな人へおすすめ。

① 人間関係疲れた……。もういや、人間嫌い! ウザイ! 面倒! 誰か助けて!

② 何にも縛られたくない! 俺は俺の道を作りたいんだ!

特に、思春期の高校、大学生くらいの男子にはおススメです。

人生変えられますよ!

ある程度の年齢になってから読むより、十代、二十代前半の方がシナジーが大きいので、世間に揉まれ始めてモヤモヤしているそこの君!

ぐだぐだ言ってる前に、読め!

ニーチェおじさんが、君の気持ちを全て代弁してくれていますよ!

キリスト教一強時代に

「神は死んだ!」

そう、世界に豪語した、ぶっ飛んだ偉人です。

その神髄が、ここに詰まっています

 

で、内容は深く考えなくて良いです。頭痛くなるので。

 

おすすめ⑥ 国家 著者:プラトン (岩波文庫)

最後はこちら。

よく聞く言葉で「プラトン以降の哲学は、彼への注釈を与えているに過ぎない」とか、あります。

西洋哲学総本山 プラトン!

中でもとびきり有名で、とびきり重要度が高いのが「国家」であります。

正義とは何か? 政治とは何か? 世界とは何か? 存在とは何か? 認識とは何か? etc…。

この一冊に込められています。

深追いしなければ、比較的読みやすいので、総本山に触れたい方は読んでみても良いかと。

後、物書きしたいのなら読むべきですよ

架空の世界や政治形態を作るヒントが盛り沢山です。

というか、これくらい読んでなくて架空世界を書こうなんて、甘すぎです。

好き嫌い関係なく、読むべきです。

 

 


さて、然したる需要も無いのに長々と述べました。

確かに「哲学」に検索需要はありません。

ですが、世の中で成功する数%の人は、必ず哲学しています

哲学って、考え方なんです。

一人でうにうに考えていても、進捗率は一人分です。

でも、哲学すれば「二千年分」の考え方を手に入れられます。

どちらの進捗率が高いのかは、火を見るより明らかですね。

それを無視するのか否かは、貴方次第です