考察ガチ勢が選ぶ【おすすめアニメ評価】ユーリ!!! on ICE

U-NEXT


 

総合評価  78点
評価:4多すぎる競技シーン。
フィギュアの説明を何もしてくれないけど、分かった気になる名作。

夏のオリンピックが終わりました。パラリンピックを応援致します。

 

それが終わると、次は冬!

 

冬の花形といえば、そう、フィギュアスケート!

 

テレビで度々放送されるも、詳細ルールを知っている人がほぼ皆無の珍しい花形競技です。

サルコー?
フリップ???
ループ????

 

シークエンス?
イーグル??
イナバウワー???

 

ほぼ、謎!

 

なのに見ちゃう競技!

夏でいうところの体操みたいなものですね。

他にも、オリンピック以外、どこでやってるのかも知らない。

 

そんな圧倒的情報不足を、まるで解消しなかったのが、本作ユーリ!!! on ICE

まぁ、グランプリなるシーズンがあるのは理解できました。程度。

 

製作はまたしてもMAPPA。

別に信者では無いのですが、本サイトの書評が偏っています。

 

私のリピート率第2位の、何度も観てしまう名作ですので、書きたいだけ書いてみます。

 

圧倒的、演技の数

 

先日、「バクテン!!」の記事を書きました。

コチラ

そちらで「三回もリアル演技がある(のが素晴らしい)」と書きました。

この「ユーリ」、三回どころじゃありません。

 

1話に3回くらい入ってます。

 

総勢14名の競技キャラクターの、全演技、ショートもフリーも全部やります

全12話で、28演技(しかも主人公やグランプリに残る人は計4回もやる)

 

異常でしょ、これ(良い意味で)

ほぼ演技しかしてません。

無論、フィギュアの演技をアニメで作るのが、簡単なはずがありません。

しかも、全てにちゃんと振り付けがあり、全てにちゃんと音楽ついているんです。

 

異常クオリティです(笑)

 

作ってる人達、頭おかしいと思いました。

それだけ競技を詰め込んでいるのですから、余計なエピソードは省かれています。

非常にテンポが良く進んで行く為、観ていて爽快です。

 

 

 

ドラマは競技で見せる

 

競技シーンが大半を占めているので、日常でのドラマはほぼありません

むしろ、不要。

スポ根というのは、あくまで競技がメインであって、そこに挑む心意気を書いてナンボ。

競技を通じてでしか書けないドラマが詰められているのも好感です。

 

もう一度述べますが、非常にテンポが良い

 

競技の中で泣き、笑い、苦しみ、挑むので、演技という場面に情報がとても多いです。

競技とドラマがワンセットになり、それが競技者毎に登場するので、テンポが良く感じるのですね。

 

動きの中で表現を模索する、アニメ動画ならではの技法です。

漫画や小説だと、逆にテンポがダレてしまいそうですね。

こうした、「ならでは」表現もポイントが高い要素になります。

 

 

キャラクターのBL要素は必要?

 

本作を嫌う方がいるとすれば、この要素かと思います。

賛否は問われそうです。

腐女子に媚びている、と捉えられる人も多いでしょうし、そもそも露骨に差し出されて「ありがたく頂戴します」ってお姉様方が多いとは思えません。

 

只、何も無し! って分けにもいかないんです

 

競技を見せたいアニメ、が第一の主旨でしょうが、それだけで市場確保できる程甘くも無いので、何かは必要です。

そして、この第一の主旨「競技」を詰めている以上、簡潔で分かりやすい要素でなければ、共存させての成立が難しくなります

下手に男女恋愛を入れてしまうと話数が必要になる上、主人公が普通性質を持っているので、いまいちインパクトに欠ける可能性もあります。

インパクトというより、尺がかかりそうです。

※実際に本編では、主人公の恋愛はカットされています。主人公の演目の音楽を作った人はそれ要因なのでしょうが、ほのめかす程度。

 

こういうのは逆算です。

→ 「フィギュア」の持つ美的要素。

→ コーチと選手という男同士の関係性。

→ なるべく競技に関わらない話は書きたくない。

 

ちょうど具合が良いのが、BL要素だったのでしょう。

分かりやすく印象を付ける計算としては、間違ってはいないです。

正直、そこはメインじゃないので気になりませんでしたが、過剰反応してしまう物語を見慣れていない方は注意して下さい。

 

 

お手本通りの構成

 

最後に、構成をチョロっと書いておきます。

「小説家になろう」が流行ったおかげで、アクションシーンの見せ方の基本を知らない、勘違いされている方が増えているようです。

 

シナリオというのは、主人公が苦難に立ち向かう物語です。

 

「なろう系」というのは、主人公が全く苦労しませんので、元来の作法の逆張りです。

あくまで、逆張り。

ニッチな村社会での流行りなので、これで良いと勘違いしないで下さい。

 

で、苦難に対するアンサーとして「行動」する。

苦難とアクションはセットなんです。

※アクションには「台詞」も含まれます。

苦難とセットにならない台詞だから、アクションだから、なんの説得力も無いのです。

見た目の派手さは、説得力には無関係です。

 

本作はお手本です。

まず、主人公が引退を迫られるまで精神的に追い詰められる

この苦難に対する行動が、演技になっているので、演技に意味が出てくるんです。

 

「今回の演技(アクション)」は、どの苦難とセットになっているのか?

 

本作は分かりやすく作ってありますので、参考になります。

読者、視聴者も「このシーン、意味が分からん」って場合は、どんな苦難とセットになっているのかを探すと、見通しが良くなります。

逆に、なんの苦難とも結びついていなかったら、それは制作側のエゴタイムなので、エゴに付き合う感覚で見ると分かりやすくなりますね。

 

 

まとめ

 

非常にシンプルで、簡潔に構成されている作品です。

とにかく、演技みせたいんや!

に全力が注がれていて、爽快。

ふとした瞬間にリピートしてしまいます。

 

映画が遅れに遅れ、公開目途が立っていませんが、次作も大いに期待が持てます。

観ておいて損は無い作品です。

 

っと、書き忘れましたが、最強の先生は銀髪です!