初級編の体裁はあくまで初心者講座ですが、中級、上級者でも使える内容にしています。
ですので、
「初心者向け」だから「短編」を進めるのではありません。
理由は山ほどあります。
理由を一つ一つ解説する前に、
「短編って、どれくらい?」
について、尺の基準を述べます。
〇小説で2~3万字
(具体的には 40×30原稿用紙 で 20~30ページ)
〇脚本で20分~30分
(具体的には200字詰め原稿用紙で40~60枚)
〇漫画ネームで16~40P
といったところでしょうか。(漫画は出した事ないので適当に言ってます)
厳密な基準はありませんが、多くのコンテストで基準になっている量ですので参考にしてください。
さて、では短編を「初めに書くべきだ」と推挙する理由です。
ほぼ全部重要ポイントです。
重要ポイント① 終わらせる感覚を掴む
既に何度か述べましたが、多くの方がシナリオに挫折する最大理由は
「終わらせられない」
です。
尚、これは初心者上級者プロアマ問わず、一生物の悪癖です。
趣味なら別に構いません。
でも書いていくうちに、「コンテスト出したい」と必ずなります。
終わらない物語で、コンテストを通すのはほぼ不可です。
小説漫画はギリギリそれでも通りますが、脚本は絶対に通りません。
ちゃんと終わらせる。
ちゃんと書ききる。
その癖をつける為にも、なんとなく長編を書き始めるくらいなら、短編から書きましょう。
重要ポイント② 長編癖は、後々厄介になる
私もそうでしたが、なんとなく書いてみるかぁ~、でシナリオを書き始めた人は多いはずです。
好きな事を好きな様に書き、好きなものだけを深堀していきます。
妄想は膨らむばかりです。
どんどん書く。
どんどん書く。
終わりの見えない旅……。
で、収拾がつかずに、書くのを止める。
最悪、止まるのならば良いです。
止まらなかったら、けっこう厄介です。
既にある程度を書いてしまっていますから、そこに「私は書けるんだ」というプライドが生まれてしまいます。
ここ、注意です。
終わっていないのであれば、書けたうちに入りません!
書いている途中です。ここを錯覚してしまうと、面倒な事が発生します。
物語の規模をはき違えます。
この辺りは中級編くらいで再度お話しますが、長編癖をつけると後々大変だという事だけ……。
さて、次は大切です。本当に大切です。
超重要ポイント! 起承転結の感覚を掴む。
短編から入るべき最大の理由です。
もうこれだけ! と言っても過言ではありません。
どんな長編物語でも「短編×〇セット」で作られています。
起承転結と聞くと、「物語全ての構成」と思っている方が多いですが、違います。いや、正解です。
厳密には「物語全体の起承転結」と「一話ごとの起承転結」は別物です。
どちらも無いと成立しません。
そして、アマチュア作品の大半が「一話毎の起承転結」が皆無です。
これでは、商品になりません。
※趣味で書きたいだけなら止めません。それはそれで有意義な時間の過ごし方なので、文句もありません。
が、「コンテストを通したい」「プロになりたい」のであれば、必須です。
先ほど紹介した「ページ数」で、必ず一段落させて下さい。
具体的な「起承転結」の機能についてはまた説明しますが、難しいので、いきなりでは理解できません。
一先ず、感覚だけ掴んでください。
なにがなんでも、1セットで必ず終わらせる!
そのペースをつかむ為にも、「短編から始める」は、有効です。
というのも、
「短編」で「ちゃんと終わらせよう」とすると、相応に起承転結しなければ、終わらせられないです。
ですので、知識ではなく、自然と身に付きます。
その感覚を、まずは掴んで下さい。
まとめ
短編を書く事で、自然と「終わらせる感覚」が身に付きます。
挫折もしづらいです。
もっと言います。
20万字の長編一本を書くより、2万字の短編10本書いた方が、成長率は高いです。
桁違いに、高いです。
時間効率を考えると、「短編から始める」のが最適解です。
それでも長編を書きたい方は止めません。私も同じでした。
あの時間は、非常に効率が悪かったのだと、十数年後に気づくだけです。
次回から、具体的に書けるようなるレッスンを始めます。